この時の【パンドラ】の呪いの名前は【パンドラ】のバトンだった。
 バトンと言っても形がはっきりとあるという訳では無い。
 別の言い方をすれば、【パンドラ】のキスマークと呼んでも良い。
 これは恋人から恋人へ伝染するタイプの【パンドラ】だった。
 つまり、この呪いの被害者は男女男女男……の様に、交互に男と女の被害者を出す呪いで、最初の被害者の恋人がキスマークというバトンを受け取り、別れる。
 最初の被害者の恋人が次の新しい恋人と付き合い、バトンを次の恋人に渡し、また、別れる。
 そうやって、キスマークのリレーを42回繰り返すというものだった。
 被害者達はキスマークをつけた次の被害者が新しい恋人を作った時点で、かつてつけられて消えたはずのキスマークが浮かび上がり、キスマークからだんだん女の様な形の痣のようなものに代わりながら、だんだん心臓の上に近づいて来る。