俊征が応答しないのに異変を感じた勇治が駆けつけたが、時すでに遅し、和毅は最後の一筆を自らの命と共に引いていた。
 ポニーテールの少女は本性を現し、
「ふふふ……まずは一人目……」
 と言って、和毅の首をはね飛ばした。
 和毅はそのまま、消えてしまった。
 一人目の犠牲者となってしまった。
 勇治に助け起こされた俊征は和毅の不幸を知って崩れ落ちる。
 結果、【パンドラ】ランナーの犠牲者は和毅一人だった。
 後の被害者は未然に防げたという報告が上がった。
 霊能力の無い玲於奈と香月でさえ防いでいたのだ。
 落ち込む、俊征。
 それを見た勇治は、
「こういう事もある。どんなに強い霊能力を持っていても雑魚以下の悪霊に負ける事だってあるんだ。完全な事なんかない。今回は運が無かったんだ。結果的には【パンドラ】ランナーは未遂に終わったんだ。それを良しとしよう」
 と言って慰めた。
 俊征は力なく、
「あ、ありがとうございます……善処します……」
 と言って頷いた。
 勇治は
「気にするなというのが無理かも知れないが、本当に気にしても仕方ないんだ」
 と慰めたが、俊征はほとんど聞いていなかった。