なにか、裏が。
 いや、違う。
 彼女はそんな悪いことを考えるような人じゃない。
 きっと、天使のように澄み切った心の持ち主なんだ。
 そう言い聞かせ納得しようとする。
 少女は優しくエスコートする。
 ふらぁ~っと有頂天になる和毅。
 もはや完全に少女の虜だった。
 少女と共に、【R】の文字を走りきる。
 少女は別れ際、
「明日もまっているわ。場所はわかるよね?」
 と言った。
 和毅は、
「う、うん……わかるだ……です……」
 と言った。
 しどろもどろの会話しか出来なかった併走だったが、それでも和毅にとっては人生最大の喜びとなった。
 そのまま、上の空で授業を受けて下校中に俊征が待ち伏せしていた。
 俊征は、
「居た……危険なんです。すぐにその女から離れてください」
 と言った。
 和毅は幸せな気分に水をさされた気持ちになり、
「おまえに何がわかる?あっちへ行け」
 と追い払った。