【パンドラ】――PANDORA――
 この文字になんとなく、心当たりがあった。
 ――そう、ポニーテールの少女が通っているコースだ。
 最初に目撃した地点からだんだん右側に彼女が移動していたが、今まで彼女を目撃して消えたところまでを総合して考えて見ると、PANDという文字が走ったコースで描かれる。
 つまり、次に【O】の始まる位置で彼女を待っていれば、彼女は現れるかも知れない。
 和毅は、そう思って本来であれば不吉を予言する言葉に希望を得てしまった。
 だが、そうなると、俊征の存在が邪魔だった。
 彼は和毅をつけているのか、和毅が走り出すとついてくる。
 なので俊征をまく必要があった。
 だが、どうやって彼をまけば良いのだろう。
 残念ながら脂肪たっぷりの和毅よりもスタイルの良い俊征の方が運動能力はありそうだ。
 見つかったら追いつかれる。
 だから、隠れて行動する必要があった。
 和毅は知恵を絞る。
 そうだ、祖母の家に泊まろう。
 祖母はいつでも遊びに来てねと言ってくれている。
 人見知りの激しい和毅も祖母になら甘えられる。
 祖母の家に泊まって、祖母の家から運動に出よう。