8年前という事もあり、当時の組織のメンバーの多くは生き残っているが、重大事件だったため、今もって全員が塀の中だ。
 つまり、事件の当事者達はいない。
 それを利用して、今回、海外で【パンドラ】崇拝者達の組織が壊滅したという情報を流す事にした。
 言ってみれば誤情報、嘘の情報になるが、当時からの参加者は意外と少ない。
 ほとんどのメンバーが、第二世代――世界を滅亡させる力を持って復活した【パンドラ】の呪いに脅威を感じ、世界を救うために寄り集まった者達なのだ。
 なので、だますという感じではない。
 あくまでも希望として、伝えたかった。
 だが、嘘とはいつかばれるもの――
 その時の不信が対策チームの不協和音となるかも知れない。
 それでも今は、希望にすがるしかないのだ。
 やれることは何でもやる。
 だが、やる気が無ければ何も進まない。
 対策チームには動いてもらわなくてはならないのだから。
 苦しい選択ではあるが、嘘の情報を対策チームの上層部は流すことにした。
 効果はあったような無かったような微妙な感じだった。
 当時の事件を知っている古参の参加者はすぐに嘘だと見抜き、対策チームの上層部に不信感をあらわにした。