俊征は人付き合いが苦手だという事は従兄弟である榮一郎はよく理解していた。
 そんな俊征でもこれだけやってくれれば、十分、役に立っていると言えた。
 後は、幸夫の呪いの状態が、今から動いても間に合うかどうかという事だけだ。
 榮一郎達は、なるべく、幸夫の機嫌を損ねないように、幸夫に降りかかっている【パンドラ】の呪いの種類を見極めなくてはならない。
 どんなタイプの呪いなのかがわからなくては対処のとりようがない。
 このことは、【パンドラ】側にはかなり有利に事が運び、榮一郎達にとっては、それだけ不利になっている。
 【パンドラ】側は不特定多数の相手からランダムにターゲットを絞れるが、榮一郎達は、被害者を見つけ、さらに被害者の負担を極力減らす形で対処しなくてはならない。
 無理ゲーに近い事は十分にわかってはいるが、だからといって手をこまねいて何もしないわけにも行かない。
 不幸になる人がいるとわかっているのならそれを助けてあげるのが人の道。
 それが榮一郎達霊能者チームの信条だった。
 呪いには屈しない。
 悪霊の好きにはさせない。
 それを決意して行動していた。
 【パンドラ】を倒したからと言って誰かに褒められたり財を得たりする訳じゃない。
 逆に、下手をすれば【パンドラ】の呪いで殺されてしまうかもしれない。
 だけど、止めない。
 それは、榮一郎が生きる意味だから。
 正義は自分達の胸の中にある。
 仲間の多くも同じ気持ちだ。