「何でよ?なんで別れようなんていうのよ」
 章子が幸夫に詰め寄る。
 章子にとっては当然のことだ。
 何の前触れもなく、突然、別れようと言われて納得出来るわけがない。
 今まで別れた女性達は他にも二股三股はかけてそうな女性ばかりで、別れ話に対してもドライな気持ちで対応して、
「あ、そう……」
 とか、
「良いわよ、こっちももう飽きたし」
 などと言われて幸夫の方が拍子抜けするような感じだったが、章子は違っていた。
 粘着質タイプである彼女は幸夫に対して執着してきたのだ。
 それでも強引に別れるように持っていったら、彼女はストーカーと化した。
 至る所につきまとうようになり、幸夫は恐怖した。