今まで殺された彼女達は全員、幸夫が夢で見た通りに殺されていたのだ。
 そして、刺し殺した夢を見た時は、現場に行かなくても翌朝起きてみると血糊がべったりと彼の体にこびりついていた。
 アリバイがあるため、調べられることはなかったが、その時に調べられていたら、一発で幸夫は犯人にされていただろう。
 そういう事情があるため、【パンドラ】タトゥーには必要以上に反応するのだ。
 だったら、彼女を作らなければ良いとも思うのだが、生来の女好きである幸夫は彼女なしという生活は生きている感じがしないのだ。
 だから、不幸があるとわかっていてもついつい、彼女を作ってしまう。
 女性と知り合ったら、ついつい、アドレスを聞いたりしたくなるのだ。
 幸夫は章子のタトゥーを確認した時、こう思う――
(この女とも終わりだな――来週頭あたりに別れるか――)
 と。
 これは幸夫にとっては優しさでもあった。
 例え、傍目には酷い男に映ってもだ。
 なぜならば、幸夫がタトゥーを確認してから二週間経つ前に別れれば、別れた彼女は死なないのだ。
 タトゥーを目撃してから二週間彼女で居続けるとその彼女は殺されてしまう。
 幸夫は失敗を繰り返し、そのことを学んでいた。