一方、クアンスティータ・セレークトゥースのお披露目を行っている場所では異変があった。
 オルオティーナは、
「ば、馬鹿な……早すぎる──何を考えておる、あ奴め……」
 と言った。
 【あ奴】とはクアンスティータ・セレークトゥースの実の父親、怪物ファーブラ・フィクタの事を指す。
 何が起きたか──
 それは誕生したばかりのクアンスティータ・セレークトゥースが、繭(まゆ)の様な、蛹(さなぎ)の様な、卵の様な状態になって行ったからだ。
 この状態を繭蛹卵(けんようらん)と呼び、今の状態で言えば、第二本体、クアンスティータ・ルーミスが誕生する準備が始まったことを意味するのだ。
 これから、第一本体クアンスティータ・セレークトゥースは繭蛹卵の状態になり眠りにつくことになる。
 そして、第二本体クアンスティータ・ルーミスの誕生に合わせて、生まれ直すのだ。
 その時のセレークトゥースの力はルーミスの力に引っ張られ、現在のものよりも遥かにとんでもなくアップする。
 クアンスティータは誕生と繭蛹卵の状態を繰り返し、よりさらに強くなっていく存在なのだ。
 だが、本来の歴史では、セレークトゥースが繭蛹卵になるのはずっと先の事であるはずだった。
 未来を見通せるオルオティーナにはそれが解っていたはずだった。
 だが、実際には、遥かに早くセレークトゥースが繭蛹卵になってしまっている。
 それは、怪物ファーブラ・フィクタが時計の針を進めようと行動している様にも見えた。
 それで、オルオティーナが慌てたのだ。
 オルオティーナは吟侍の元に使いを出す。