女性陣達は全員、吟侍にはカノンという恋人が居る事が解っている。
 だから恋人同士にはなれないかも知れない。
 だけど、このセレークトゥース・ワールドの冒険を通して築いた絆の様なものは恋人であるカノンも得られなかった貴重な体験だ。
 何度も命の危険に合うような大変な旅だったが、この時の思い出があれば彼女達は前向きに生きていける。
 そんなちょっと切ない乙女心があった。
 そんな思いに気づかない鈍い吟侍は、
「ま、まぁ、それで良いのなら……?こっちこそよろしく」
 と手を差し出した。
 それを見て、吟侍のニブチンぶりに少し腹を立てた女性陣達は、
「それ、もみくちゃにしてやれ」(ソナタ)
「こちょこちょこちょ」(レスティー)
「覚悟を決めい」(エカテリーナ)
「おしおきです」(フェンディナ)
「相変わらず、鈍いなぁ」(ステラ)
「吟侍さんらしいです」(那遠)
 と言って、吟侍に襲い掛かった。
 吟侍は、
「ちょ、ちょっと待ってって、なんなんだ、みんなぁ~」
 とくすぐられるのを理解できないでいた。