フェンディナは、
「涼しくて良いところですね」
 と、この別荘地を気に入った。
 このままフェンディナの精神が落ち着くのを待っていれば彼女ならば、大魔王ドキンチョの勢力に対し、かなり善戦してくれるのではないかという吟侍の思惑があった。
 が、別の緊張がその別荘地を訪れた。
 オルオティーナである。
 その胸には第一本体クアンスティータ・セレークトゥースを抱いている。
 オルオティーナは、
「どんな感じじゃ?様子を見に来たぞ」
 と言ってきた。
 オルオティーナとしても吟侍達にセレークトゥース・ワールドへの入界を許可したものの、一度くらい様子を見に来なくてはと思ってやってきたのだ。
 本来はオルオティーナだけでやってくるつもりだったが、ショップエリアで発売している【真似っこ吟ちゃん人形バージョン】でセレークトゥースをあやしていたので、セレークトゥースが吟侍に会いたがるそぶりを見せたので、共に連れてやってきたのだ。
 現界ではそれほど、時は進んでおらず、現在はセレークトゥースをクアンスティータ・ファンクラブなどにお披露目している最中ではあったが、セレークトゥースは身体を自由に分離させる事が出来るので、同時進行で、セレークトゥース・ワールドに遊びにこさせたのだ。
 オルオティーナもまた、クアンスティータの摂政(せっしょう)をしている役割があるので、何かと忙しい。