エカテリーナ自身は将を倒しているという自覚がないので、本体ではない、エカテリーナの意志の方が将にまでたどり着き、将を打ち破っていたのだ。
 もちろん、エカテリーナの意志よりもエカテリーナ自身の方が強いので、彼女は既に将を倒せる器であるという事になる。
 エカテリーナの意志による行動はクアンスティータを産み落としたニナ・ルベルなどの複合多重生命体(ふくごうたじゅうせいめいたい)の1つと同じであるといえる。
 元々、単一の生命体であるエカテリーナが複合多重生命体となることはまず、あり得ない。
 だが、オルオティーナの古き力によって、【願いを叶えるために無理を通す力】が発動したのだ。
 エカテリーナがなかなか出てこない将を倒したいという気持ちを叶えるため、本来エカテリーナには不可能だった属性を彼女自身が自分に一時的に持たせたのだ。
 言ってみれば【不可能を可能にする力】であると言える。
 もちろん、これだけが、オルオティーナの古き力ではない。
 エカテリーナには更なる伸びしろが期待出来るのだ。
 エカテリーナは呆然となる。
 自分が無意識に使っていたとは思っていなかったからだ。
 自覚無く、オルオティーナの古き力を発揮したエカテリーナは、
「な、何が起きたんじゃ?」
 と言った。