魔女によって体感した、何も出来なかった事などが、全くどうでも良く思える位の恐怖を感じた。
 フェーリアイアリーフェは何も出来ないとかそういう次元の話ですら無かった。
 吟侍の理解を大きく超えた恐怖が彼を襲った。
 本当に吟侍なのか?
 と思えるくらい、一時的に取り乱していた。
 我を忘れるとはこのことだった。
 それくらいの強烈なインパクトを感じた。
 吟侍が本当にしばらく動けないので、女性陣達は少し、休憩をとって彼を休ませる事にした。
 【にゃんころりん】は、
【これを飲むにゃんころりん。いくらか症状がおさまるにゃんころりん】
 と言って特殊な丸薬を飲ませた。
 それにより、症状が落ち着く。
 吟侍の症状を見たソナタ達は体感しなくてよかったと胸をなで下ろすのだった。
 その後、いくつも楽しい所を回ったのだが、吟侍だけは浮かない表情だった。
 前向きの塊の吟侍でさえ、そういう鬱(うつ)状態に陥らせる程の恐怖を持つ【よそもの】――
 関わらない事に越したことはなさそうだった。