吟侍達が最初に案内されたのは、映画館だった。
 と言ってもただの映画館ではない。
 食べる映画館だ。
 キャンディーのようになっていて、それを食べる事によって、映画を見たことになるのだ。
 舐めれば舐めている間、映像が頭に入り、噛んで一気に食べればそれだけ、早く映画の映像が頭に入る事になる。
 つまり、見ている時間を調節出来るのだ。
 映画館というよりは知識を食べる、知識売り場と言った感じの所だった。
 吟侍は映画キャンディーを一つ食べ、
「おっもしれーな、これは」
 と言って、続けて、二つの映画キャンディーを食べた。
 すると、ストーリーが混ざってより複雑な映像が吟侍の頭に入ってきた。
 もちろん、言うまでもなく、これは、現界ではあり得ない事だ。
 映画をキャンディーに込める技術など、現界には無いのだから。
 吟侍は、
「みんな、ここは戦闘区域じゃない。それぞれが、回りたい所を回ってみるってのはどうだろう?」
 と持ちかけた。
 これには吟侍の下心も入っている。