【にゃんころりん】は
「お隣さんのぎんちゃんさん、ここで立ち話も何だし、お店の中でくつろいでくれだにゃんころりん」
 と言った。
 【にゃんころりん】は、語尾に【にゃんころりん】という言葉をつける事から吟侍に安直に命名されたようだ。
 【にゃんころりん】自体が気に入っているみたいなので、名前に対してつっこむことはしなかったが。
 【にゃんころりん】の誘いは吟侍にとっては渡りに船だった。
 ソナタ達の問い詰めをかわす意味でも、【にゃんころりん】の店を見学する事にした。
 特に、那遠は吟侍達そっちのけで目がキラキラしていた。
 ウィンドウショッピングは、那遠の趣味でもあるのだ。
 那遠は、
「皆さん、早く行きましょう」
 とせかした。
 まるで、初めてデパートに来た子供のようにはしゃいでいる。
 吟侍は、
「そうだな、那遠ちゃん、競争だ」
 と言って、ついていった。
 ソナタはそれを見て、
「――ったく、ガキね、二人とも……」
 と言ったが、実は彼女も何となくワクワクしていた。
 ソナタも女の子――ショッピングは基本的に好きなのだ。