それは、言葉では表現しにくいものだ。
 表現出来るものでも、かろうじて、色や代わりのイメージで代行して伝える事くらいしかできない。
 例えば、赤のダメージとか痛さに近いダメージとか大波のようなダメージなどのような感じでだ。
 酷いのになると、そのダメージの種類の例えすらままならないものになる。
 それを考えると吟侍達はイメージ出来る限られたダメージの種類だけで、対応しなくてはならないのだから不利でもある。
 例えるなら10の戦術しか知らないし出来ないのに、相手は100、1000、10000の戦術を使う事が出来るようなものだ。
 比率としては、それ以上の開きがあると言って良い。
 また、魔女ヴァレンチナの攻撃だけに注意を払っているわけにはいかない。
 魔女アストリットのちょっかいも受けているのだ。
 一見、魔女アストリットは何もしていないように見える。
 だが、それが、魔女ヴァレンチナよりもやっかいな攻撃だった。
 映像として魔女アストリットの攻撃は吟侍に映らないのだ。
 攻撃されている様に見えない――それが非情に厄介だ。
 見た目が全く参考にならないのだ。
 全く感知を塞がれた状態での攻撃――これほど厄介な攻撃を受けたことはない。
 答えの力とラッキーフレンドの力でかろうじて、魔女アストリットの攻撃が当たらない方向へと逃げてはいるが、いつまでも続けていられない。