吟侍は、
「金か何か必要なんか?」
 と聞いた。
 魔女アーデルヘイトはニタリと笑い、
「あたしの場合はあんたの精気が駄賃だよ」
 と言った。
 吟侍は、
「そいつは、困るな。せっかくスキルアップしたのに、持って行かれたんじゃ、たまんねぇや。悪いけど抵抗させてもらうぜ」
 と言った。
 この魔女アーデルヘイトは城に来た魔女達から見るといくらか劣っているようにも見えるが、それでも、以前の吟侍なら、勝てなかった可能性が高い。
 だが、このチンピラ風な立ち振る舞いを見ていたら、大した存在ではないように思えた。
 ゲーム(RPG)に例えるなら、主人公が経験値を得るために倒す雑魚キャラと言ったところだろう。
 雑魚キャラにしては恐ろしく強いポテンシャルを感じるのではあるが。
 魔女アーデルヘイトは、
「あんたは、蝋で固めて部屋のオブジェとして飾ってあげよう」
 と言った。