魔女は続けて、
「……まぁ、良い。邪魔をするなら命はないぞ。黙って見ているんだな」
 と言った。
 吟侍に対して威嚇ともとれる言葉だ。
 本来の吟侍であれば、その威嚇に対して思わずうならせる回答をするのだが、その回答をすれば、即、命取りにもなりかねないというのを肌で感じ取っていた。
(おいらが、萎縮してるのか?)
 吟侍はそう思った。
 今まで、どんな敵が現れようとも気持ちは負けていなかった。
 偽クアンスティータに襲われた時も何とかしようという気持ちが強かった。
 だが、この魔女に対しては圧倒的なまでの言葉の暴力に屈してしまっている。
 屈している?
 そうか、これは、言霊だ。
 言葉による強制だ。
 そう気づくまでにしばらくかかった。
 通常の相手の言霊であれば、ここまで脅威を感じる事はなかった。
 だが、言霊による力にせよ、吟侍は屈してしまった。
 それに恐ろしさを感じた。
 吟侍の何とかしようという気持ちは彼の【答えの力】に直結している。
 答えをひねりだそうという気持ちがあって初めて【答えの力】は正常に機能する。