吟侍は惑星ウェントス主催の王杯大会に参加した。
 その大会のエカテリーナ枠には想像を絶するような力を持つ強者達がたくさん参加して来た。
 だが、その参加者達もこのセレークトゥース・ワールドで出てきた強者達と比べると大きく霞んでしまう。
 少なくとも王杯大会エカテリーナ枠では生身でいたら即死する可能性が高いという状態には陥(おちい)らなかった。
 ブーストしまくってもなおかつ命の危険が常につきまとうという状態ではなかった。
 それだけ、セレークトゥース・ワールドのレベルが高すぎるのだ。
 クアンスティータは、こういう宇宙世界を24も持つという事になる。
 信じられないくらいの脅威だ。
 この目の前の魔女もまた、脅威の一つであり、それでも全体から考えると、氷山の一角にも満たない脅威に過ぎない。
 だが、この魔女達の側に居る吟侍からは、ボタボタと冷や汗が流れ落ちる。
 選択を間違えれば、吟侍の運命はここで尽き果てる。
 小細工が通用するような相手ではないのは確かだった。
 吟侍の中に緊張が走る。
 ――と、魔女の一人が声をかけてきた。
「お前、私達が何なのか解っているな?何者だ?」
 と聞いてきた。
 吟侍の事を物語りと関係ない異分子だという事に気づいているのだ。
 その全てを見透かしていそうな瞳に見つめられると気が狂いそうだった。
 何というか格が違う――そんな感じだった。
 魔女に対して、自分がいかにちっぽけかということを認識させられる吟侍。