出来れば、その攻撃のどれかが有効打になってくれれば良いのだが、敵はそれほど甘くはなかった。
 どの攻撃も決定打にはならず、吟侍の顔に焦りの表情が浮かぶ。
 もちろん、これも答えの力で導き出した演技なのだが、それで何とか上手く騙せたようだ。
 シェリル姫の影は力を落とした吟侍を倒そうと真っ正面から向かって行ったタイミングを見計らって、吟侍はクアンスティータ化して、その一瞬で攻撃を放ち、見事、シェリル姫の影をしとめた。
 クアンスティータ化と言ってもクアンスティータの様になるのではなく、左右のこめかみの髪の部分から旗の様に伸びたものが出来たり翼の様なものが出てきたりなどクアンスティータの特徴と微妙に違ったりもするが、千角尾などのクアンスティータの特徴ももっていた。
 一瞬だけなので、力を使ったといっても打撃一撃を放っただけだが、それでもクアンスティータの名前を冠する力だけあって、威力は絶大だった。
 こうして、吟侍は、化け物の力を借りる事無く、シェリル姫の影を倒す事が出来たので、テーマとしてはイレギュラー状態となり、シェリル姫がルリェシという更なる化け物に変わる事は無かった。
 そのまま、シェリル姫とのダンスのイベントになるのだった。
 だが、ここに一つ誤算が――
 吟侍はダンスなど踊ったことがないのだ。