怪物ファーブラ・フィクタは関係者全てを同時に倒す力を持っている。
 その力の応用でこの舞踏会場に居合わせたものとして、レフェリー役のキャラクターに作り出した矢を放ち、間接的にシェリル姫の影に攻撃をしたのだ。
 怪物ファーブラ・フィクタの様に、関係者全てに影響をもたらせるという域には達しないが、それでも、存在している者を関連づけてシェリル姫の影に攻撃を当てるという事には成功した。
 成功したが、ダメージはほぼ、ゼロと言っても良かった。
 この力の持っている能力浸透度(のうりょくしんとうど)ではシェリル姫の影が持っている能力浸透耐久度(のうりょくしんとうたいきゅうど)には遠く及ばない。
 攻撃というよりは、撫でているだけと変わりなかった。
 その小手調べを皮切りに、吟侍は創作バトルスタイルで次々と変わった攻撃を仕掛けて見るがいずれも効果が殆どなかった。
 攻撃もたまに受けるが、一撃で倒されるという事を繰り返していた。
 倒されても戦っていられたのは咄嗟に、7番の化獣(ばけもの)ルフォスの力を使って化身体を用意して変わり身になっていたからだが、次々と化身体が消費されて行った。
 吟侍はショップエリアで買ったアイテムも使ってでの戦闘なのだが、それでもシェリル姫の影の戦闘能力は凄まじく、トリッキーな動きの吟侍も一歩間違えば一瞬でアウトという危険な状態を繰り返した。
 吟侍は、
「やるねぇ、あんた、やっぱ、強ぇわ」
 と言った。
 まともにやっても今の吟侍では、全く敵わないと判断したのだ。
 やはり、策が通用しなくてあれに頼るしかないかと判断した。
 あれとは、クアンスティータ化だ。
 だが、それをすれば、一瞬にして、吟侍はダウンしてしまう。