吟侍には牛に見えると聞いてソナタは動揺した。
 鳥が牛に見えるなどあり得ないと思っているからだ。
 吟侍が狼狽えていると思って心配をより強めた。
 他の女性陣達もさらに動揺した。
 自分達が見ている姿と別の形容をしているからだ。
 みんなパニックになっているんだと思って動揺を強めた。
 エカテリーナが、
「お、お主達は動揺しているようだ。妾が代わりにだな……」
 と交代を申し出たが、吟侍は、
「大丈夫だ。あれは、見る者によって見え方が違う化け物、動揺しているって訳じゃねぇさ」
 と答えてウインクして見せた。
 それは大丈夫だという彼なりの合図だった。
 その姿勢に女性陣達は思わずドキンとなる。
 自分が女性陣達をドキドキさせているとは露程も気づかずに、吟侍は戦いの準備をするため、軽くウォーミングアップを始めた。
 軽い準備運動をしながら、対シェリル姫の影戦の攻略を考える。
 数え切れない程のアイディアを出しては消えて行き、一つの答えを導き出した。
 大丈夫だ。
 動揺はない。
 後は……
 いよいよ、吟侍の出番となった。