吟侍の順番はとうに過ぎており、不在(外に出されていた)だった事もあり、後ろに回されてしまっていた。
 居なかったのだから、仕方ないが、吟侍の思うような筋書き通りには進んでくれていなかった。
 だが、シェリル姫の影の戦いが見える位置には陣取る事が出来たので、出番が来るまで、シェリル姫の影の戦い方を見ておく事にした。
 吟侍は、特別な金貨で雇った【クイーンルウファ】等の化け物の力を借りる事無く、シェリル姫の影を倒さなくてはならない。
 そうでなくてはイレギュラーは成立しないからだ。
 吟侍はクアンスティータ・セレークトゥースの誕生時にクアンスティータ化という力の使い方を覚えた。
 だが、それも完璧ではない。
 それだけ、クアンスティータの力は制御しづらい。
 しかも、クアンスティータ化の力は現在のところ、せいぜい偽クアンスティータレベルだ。
 その力だけで、シェリル姫の影に勝てるかどうかはちょっと怪しかった。
 恐らく、今の吟侍ではクアンスティータ化したとたんに力を使い切ってしまう。
 クアンスティータ化の能力は殆ど活かし切れないだろう。
 何か他に手を打たねばやられてしまう。
 そんな感じだった。
 だからこそ、答えの力での研究が必要だと感じた吟侍は食い入るようにシェリル姫の影を観察した。