喧嘩をふっかける切っ掛けは、吟侍がシェリル姫の影を倒す化け物を残りの特別な金貨で雇うと言うものだった。
 ダンダンテとしてはせっかく大枚はたいて雇った化け物が吟侍が用意したはした金で雇いなおされるなど、あってはならないことだといえる。
 影を倒せる化け物は当然、吟侍が雇う事は出来なかったが、ダンダンテの怒りを買うには十分な材料となった。
 ダンダンテは、
「この下郎、そこへなおれ、成敗してくれる」
 と激昂した。
 お怒りごもっともである。
 吟侍は、
「いや、ゴメンって。悪気は無かったんだよ」
 と一応、謝ってはいるが、そんな気持ちはさらさら無い。
 何とかして、シェリル姫の影を殺さない様に持っていこうと思っているのだ。
 吟侍はダンダンテのプライドを微妙に刺激して、戦いに持っていこうとしたが、ここはシェリル姫の舞踏会――関係ない戦いをする者は出て行けとばかりに吟侍とダンダンテは追い出された。