とは言え、仮に最後の挑戦者に選ばれたとしても、影を倒した後、ルリェシに殺されてしまうという結末が待っているので、出来れば物語に沿ったキャラクターにはなりたくない所だ。
 だとすると、イレギュラーという形でシェリル姫の物語に参加するしかないのだが、何をどうすれば良いのかが今のところ見えてこない。
 通常のストーリーと異なる展開を用意しないと恐らく、シェリル姫には勝てない。
 だが、答えの無い所から答えを持ってくるのは吟侍が最も得意とするところでもある。
 何をどうすれば、別の展開になるかの筋書きは既に見えているのだった。
 吟侍が選んだ筋書きは――シェリル姫やその影に挑戦するのではなく、シェリル姫の影に勝つ化け物を雇った男を先に見つけ出し、影に挑戦する前にその男に吟侍が挑戦するというものだった。
 そうすれば、シェリル姫の影が化け物に敗れるという結末が消える事になり、また、別の展開が始まるということになる。
 それは、新たな影を倒せる化け物が出現するという事も考えられる。
 それを、更に答えの力で防ぐ方向に持っていくというものだった。
 更に、吟侍は化け物は雇ったが化け物を使わず影も倒すという困難極まりない答えを導き出した。
 シェリル姫は、化け物がないがしろにされ、それをし向けた英雄が漁夫の利を得る事を怒って英雄を食い殺したのであるから、その事実を消してしまえば良いという結論になったのだ。