吟侍は、冷静に、
「恐らく、シェリル姫への求婚者達だろ?」
 と答えた。
 だが、そんな事は、エカテリーナやソナタも百も承知だ。
 それが聞きたいのではなく、暑苦しい男達の中に、自分達を入れるなと言いたいのだ。
 答えの力を持っていてもそういう乙女心は吟侍はてんで解らないのだった。
 シェリル姫の居る場所では求婚者達と影とのバトルが行われている様だったが、周りの男達の身長は唯一の男である吟侍の身長よりも高い者ばかりだから、吟侍も含めて、シェリル姫の影の戦いは見えなかった。
 唯一、那遠だけは行列に並ぶのに慣れているが、他の6名はこの待っているだけの時間に耐えられなかった。
 レスティーが
「うぅ……男の群れに悪酔いしちゃった感じだわ。ここから出たいんだけど身動きが取れないし……」
 と言った。