女性陣は相手の声が聞こえないので、ドキドキして吟侍のやりとりを聞いていた。
 【ぴょこたん】という名前はどういう由来でつけた名前なのか気になる所ではあるが、それはそれ、あまり深く聞かない方が無難だと判断していた。
 吟侍のしゃべり方は何だか頼りなかった。
 答えの無い所から答えを持ってくる事は得意だが、事、交渉にかけては、吟侍よりも恋人のカノンの方が数段、優れていると言えるだろう。
 だが、吟侍が気安く話している所から見ても、ある程度、打ち解けた間柄なんだという事は解った。
 誰かから、ごくり……と唾を飲み込む音がした。
 この場合、誰かというよりは女性陣全員が同じ心境と言って良いだろう。
 ごくり……という音はそれを代弁しているようなものだ。
 約10分くらいの会話だったのだが、待っていた女性陣達にとっては途轍もなく長い時間に感じた。
 何しろ、これからの自分達の運命に関係するかも知れない会話なのだ。
 緊張するなという方が無理な話と言えた。
 吟侍は【ぴょこたん】との交渉で、いくつかのヒストリーエリアのパンフレットの様なものを送ってもらう事に成功した。
 カンニング――という訳ではないが、あらかじめ、自分達が行くエリアはどのような所かをある程度、把握しておこうと思ったのだ。
 【ぴょこたん】は仕事が早いというのもある。