那遠が
「何をおっしゃってるんですか?生命体には共通して時間が流れて居るんですよ。兄の二年間と弟の五年間が一緒になる訳ないじゃないですか」
 と言い、吟侍は、
「それが出来ちまうのがクアンスティータなんだ。時の概念を破綻させる力があるって事だな」
 と言った。
 那遠は、
「そ、そんな、バカな……」
 と言ったが、吟侍は、
「それまで、当たり前の常識として考えていた事が崩される。本来、飛び越える事が無いこと、覆(くつがえ)る事が無い事が覆る――クアンスティータが産まれたって事はそういう事だと思う。それに考えたくない事だけど、これはまだ、序の口――クアンスティータはもっとすげえみてえだ」
 と言った。
 レスティーは、
「た、例えば?」
 と聞いて来たが吟侍は、
「そうだな、【全て】って言葉があるだろ?宇宙空間にある、ありとあらゆる全てだ。じゃあさ、【全て以外】ってあるか?」
 と言った。