その後、
「俺はルーミスを産んでもらう準備に入る。後は任せたぞ」
 とオルオティーナに言付け、怪物ファーブラ・フィクタは第二本体を産む次のニナ――ニナ・カエルレウスの元へと飛び立って行った。
「おぉ、愛しや、愛しや、まこと愛しや、クアンスティータ様。あなた様のお名前は第一本体クアンスティータ・セレークトゥース様ですぞ」
 オルオティーナが抱きかかえた第一本体クアンスティータ・セレークトゥースに話しかける。
「……だぁだぁ……」
 セレークトゥースは無邪気に笑う。
 雰囲気は人間の赤ん坊と変わらない。
 だが、確実に全ての存在を畏怖させる何かをこの赤子は持っているのだ。
「ずるい~りーたちゃんもぉ~」
 とクアースリータがオルオティーナにすり寄る。
 クアンスティータにさわりたくて近づく。
「クアースリータ殿、そなたはまだ若い。クアンスティータ様はこのオルオティーナめが、お世話するので、大人しくされるがよいぞ」
「りーたちゃんがおねーちゃんだもん」
 とむくれるクアースリータ。
 クアースリータも男であり女でもある、おんこという性別だが、感情的にはお姉ちゃんだという気持ちが強いようだ。
 クアンスティータは、
「だぁだぁ……」
 と言って、吟侍の方に手を伸ばそうとする。
 産みの両親、ニナ・ルベルと怪物ファーブラ・フィクタがその場を去ってしまったので、代わりの親を求めるように、吟侍を求めたのだ。
 吟侍の前世は怪物ファーブラ・フィクタであることから彼から父親と同じ匂いを感じ取ったのだ。
 この時、クアンスティータ・セレークトゥースは、母、ニナ・ルベルの代わりとなる女性を求めて、吟侍の恋人、カノン・アナリーゼ・メロディアスの居る惑星アクアに身体を分けて出現させている。
 産みの両親が居なくなった代わりの両親として、父の代わりに吟侍、それと母の代わりにカノンを求めたという事になる。
 だが、セレークトゥースは全くパワーが減っていないので身体が別れた事は解らなかった。
 もっとも、セレークトゥースのパワーは他の存在に全て把握出来る程小さくはないのだが――