ゼルトザームは、
「第一側体、クアンスティータ・トルムドア様が何故?」
 と聞き返した。
 【ファーミリアリス・ルベル】は、
「招待したいんだって。嬉しそうに話してたよ」
 としれっと答えた。
 クアンスティータにとって、吟侍やカノンは親の代わりでもあり、また、VIPでもあった。
 丁重にもてなしているはずだと【ファーミリアリス・ルベル】は付け加えたのだが、七英雄達やシアン、パストの不安は消えない。
 ユリシーズは、
「おい、ゼルトザーム、どうすりゃ良いんだ?」
 と詰め寄る。
 だが、ゼルトザームは、
「クアンスティータ様が関わっている以上、僕にはどうすることもできません。オリウァンコさんが怯えていたのを見ているでしょうから、僕がオリウァンコさんよりもはるかに強いというのはお解りでしょうが、僕はクアンスティータ様の勢力からすると大して大物でもないんですよ。ただの小間使いレベルの存在にすぎません。そんな、僕の立場でクアンスティータ様のご意思に背くことはできません。トルムドア様は本体ではなく、側体ですが、それは関係ありません。側体であってもクアンスティータ様はクアンスティータ様。僕ごときが逆らえる存在ではありません」
 と言った。