オリウァンコは大して動いていない。
 足を振り上げ、振り下ろし、尾で薙いだだけだ。
 それでも、七英雄達に大きなダメージを与えた。
 能力的にはオリウァンコにも引けを取っているつもりはない。
 だが、いかんせん、体格が違いすぎた。
 一番身体の大きなヘラクレスとでさえ、25倍の身長差があるのだ。
 パワー自慢のヘラクレスでさえ、この体格差ではどうしようもない。
 しかも、身体の大きな存在にはありがちなのっそりとした動きではない。
 オリウァンコは機敏な動きで攻撃を仕掛けてくる。
 50メートルの体格で、アスリート顔負けの動きをしてくるので、巻き起こる風だけで吹き飛ばされそうだった。
 そんな状態であるから、オリウァンコの攻撃がヒットしてしまった時の衝撃は計り知れない。
 最弱、軟弱とバカにされていても、やはり化獣であるオリウァンコは強かった。
 7番の化獣ルフォスを心臓に宿す芦柄 吟侍(あしがら ぎんじ)ならまだしも、元がタダの人間の七英雄達では力が違いすぎた。
 その後も七英雄達は、自身が身につけた特殊能力を使おうとするが、人間と化獣では基本的な能力浸透度と能力浸透耐久度が違っていた。
 つまり、対人間に対しては強い効果をもたらす七英雄達の特殊能力も化獣であるオリウァンコには良くても効果が極めて低い状態だった。