それは、セカンド・サイトの悪鬼がユリシーズの視界に収まっていなければならないというのが理由だ。
 人の視界は360度開けている訳ではないので、ユリシーズの視界から漏れた敵の先兵は攻撃対象から外れてしまう。
 また、ユリシーズはずっと見続けている訳にも行かない。
 人の身である以上、瞬きが必要となる。
 その瞬きの一瞬の間、セカンド・サイトの悪鬼は消える事になる。
 その消えた一瞬の隙をついて、陰陽の配下はユリシーズとの間合いを詰めてくるので、ユリシーズはその分、退いて間合いを取り直す必要があった。
 異能力の制限による不利――臣下の衣装とセカンド・サイトの悪鬼について言えば、それは適用された。
 どうしても、ユリシーズに攻撃が届いて来た配下は別の力、反物質の盾で攻撃を防ぎつつ、消滅させるという事になった。
 戦況はユリシーズが僅かに押されていると見られる。
 さすが、オリウァンコの刺客最後の砦と言ったところだろう。
 だが、陰陽にいつまでもかまっている場合ではない。
 その後にはオリウァンコとの決戦が待っているのだから。
 何とかしたいが、陰陽は強い。
 オリウァンコの化身体のエネルギーを臣下の衣装にも送り込んでいて、その衣装を着た配下達はそれぞれが変身、変貌を遂げて、パワーなどを増強させて襲ってくる。
 変身、変貌と言えば、オリウァンコを現す言葉でもある。
 敵がより強大に変身してくるという事がオリウァンコの化身体を使いこなしている何よりの証拠だった。