全身の姿が描かれていたが、まるでアニメーションの様にアップになり、女の胸元までが紙いっぱいの大きさとなる。
 紙に描かれた女の大きな口がぱかぁっと開き、そのまま、駆け込んできた綾子を飲み込んだ。
 もしゃもしゃもしゃ……
 という音がして、紙に描かれた女が綾子を吐きだした。
 吐き出された綾子はそれが綾子だとは解らないくらいにぐしゃぐしゃな状態で出てきた。
 物言わぬ、肉の塊となって出てきてしまった。
 人間を溶かしたらこんな感じになるのでは?と思うようなグロテスクな姿をしていた。
 言われなければ、これが綾子だとは誰も気づかない。
 大きな紙のもとに追いついたが、俊征達は呆然と立ちつくした。
 もう、どうしようもない状態になってしまったからだ。
 当然、絶命している。
 後から追いついた榮一郎も悔しそうに歯噛みする。
 力に慣れなかった事――
 すぐに相談に乗らなかった事を後悔した。
 それをあざ笑うかのような声が響く。