この保健室であった心霊現象について聞こうと思ったからだ。
 その時、
「ひぃぃぃやぁぁぁぁっ」
 という悲鳴と共に、いつの間にか起きたのか綾子がベッドから飛び起きて、そのまま、保健室の外に駆けだして行った。
 不意を突かれた榮一郎は反応出来なかった。
 榮一郎は、
「まずい、彼女を追うんだ」
 と声をかけた。
 榮一郎は飛び起きた綾子に突き飛ばされて、保健室の椅子に脚をとられてしまったため、出遅れた。
 慌てて綾子を追う俊征達だが、綾子の走り去るスピードは本当に女子か?と思うくらい早かった。
 男子顔負けの猛スピードで廊下を走り去って行く。
 あっという間に引き離されてしまった。
 元々、彼女は足が速く無かったはずだ。
 それだけ、綾子を襲った恐怖が想像以上だったという事になるのだ。
 綾子が走り去った先には、大きな紙がまっていた。
 女生徒を包み込めてしまうくらいな大きな紙だ。
 どこから、そんな紙が?と思うくらいの紙の大きさだった。
 その大きな紙に描かれているのは、髪の長い女の絵だった。