直感で何となくわかってしまう。
 これはトリックではない。
 霊の仕業だと――
 だけど、どうしても認めたくないので、香月は、
「よ、幼稚な仕掛けね。解っているのよ。幽霊の正体見たり枯れ尾花ってね。私達が怖がっていると思ったら大間違いよ」
 と精一杯の虚勢を張る。
 だが、内心は漏らしそうなくらい怖かった。
 そんな玲於奈達の気持ちをあざ笑うかの様に、
「うふふふふふふふふふ……」
 という笑いが木霊する。
 保健室ではあり得ないくらいの反響音だ。
 それが、玲於奈達を更なる恐怖に駆り立てる。
 香月が、
「やめなさいって言ってるでしょ」
 と言うが涙目になっている。
 今すぐに逃げ出したい気持ちを必死で堪えている。
 このまま逃げ出せば、綾子の命がないかも知れない。
 そう考えると、どうしても逃げ出せなかった。
 カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ……
 歯がカチカチなる。
 震えが抑えられない。
 怖い。
 怖くてたまらない。
 助けて。
 助けて俊君――
 玲於奈は心の中で叫んだ。