保健室の入り口の床に無造作に置かれた紙を見つけたからだ。
 女の絵が描かれた紙だった。
 その女の絵は不気味な笑顔で、保健室の中をのぞき込んでいるように見えた。
 思わず、バッとドアを閉める。
 香月は、
「み、見た?」
 と玲於奈に聞いてみた。
 玲於奈はコクコク頷き、
「う、うん……見た」
 と答えた。
 身体の奥底から震え上がる二人。
 キャーっと叫びたかったが、声が出ない。
 恐怖を通り越して腰が抜けてしまった。
 再び沈黙が支配する。
 玲於奈と香月は出来るだけ冷静に考えた。
 そうだ、これは悪戯だ。
 誰かがそっと、床に置いたんだ。
 私達を怖がらせようと思って――
 そう分析して、再び、ドアを開ける。
 今度はそぉ~っとだ。
 慎重に慎重にそぉ~っと開ける。