しばらく時が経った。
 俊征はようやく榮一郎を捕まえ、事情を話していた。
 それを聞いた榮一郎は、
「そうか、ゴメン。ほったらかしにしすぎた。すぐに行こう。案内してくれ」
 と言った。
 俊征は、
「こ、こっちです。榮一郎さん」
 と案内を開始した。
 そのころ、保健室では――
 コンコンコン……
 誰だろう?
 保健室のドアをノックする音がした。
 保険の先生?
 いや、違う。
 保険の先生は担任が、急病だと言っていた。
 代わりの先生が来ても良いはずなのに、来なかった。
 香月は、
「誰ですか?」
 とドアの向こうに向けて声をかけた。
 だが、返事はない。
 シーンという音だけが響いていた。