担任教師は、
「山木なら、帰したよ。そんなことより、船守のお母さんだ。かなり重体らしい。もしもの事もあるから、すまないが船守には起きてもらわないといけないと思うんだ。先生と警察まで行こう」
 と言った。
 どうやら、綾子の母はかなり危ないらしい。
 だが、これではっきりした。
 13番目のターゲットは綾子だ。
 そして、綾子の場合は間違いなく殺される。
 漠然としていたものがはっきりと明確な殺意となって見えて来た。
 俊征は、
「え、榮一郎さん、呼んで来る」
 と言った。
 これがかなりやばい状況だというのは俊征だけでなく、玲於奈や香月にだってわかった。 一刻も早く榮一郎に解決してもらわなければならないと判断したのだ。
 だが、遅すぎる。
 こんな状態になってからでは、いくら榮一郎でも対処が取れない。
 【パンドラ】の呪いと戦うにはそれなりの準備が必要だ。
 今回はその準備期間がまるでない。
 本物の呪いだとわかった時期が遅すぎたのだ。
 山木が13本目の鉛筆を使い切った時、呪いは成就する。