このままでは嫌われてしまうという焦りがあるが、元々口下手である俊征に話を作り出せる力はなかった。
 焦る、焦る、焦りまくる。
 だけど、何も解決策が思いつかない。
 そうこうしている内に待ち合わせの時間が近づいてくる。
 俊征は悪霊の話をするかしないかだけで、ずっと悩んでいた。
 そして、
「あ、待ったぁ?ごめんね、支度に時間かかっちゃって」
 と玲於奈がやって来てしまった。
 このままでは間が持たない。
 やむを得ず俊征は、
「あ、あの、自分、悪霊を退治して……」
 と言った。
 本当は【悪霊を退治した話を知っていて】と言いたかったのだが、緊張して、自分が退治したと言ってしまった。
 玲於奈は、
「すっごぉーい、俊君、悪霊祓い出来るの?」
 と言った。
 俊征は、
「い、いや、黛さん、自分ではなく……」
 と慌てて訂正するも、
「悪霊に取りつかれたら、助けてね」
 と言われ、
「……うん……」
 と言ってしまった。
 なし崩し的に自分は霊能者だと言ってしまった。