「いやぁ、悪いよ…それに操作方法とかわかんないし…」
「…これに住所とお名前を書いていただけますか?そうしたら、後で説明書をお送りいたします」
「…いや、悪いって…」
「…、いえ、私が壊したのかも知れないですので…それに、これは私から貴方方への結婚祝いだと思っていただければ…私は他にもカメラを持っていますし…」
「隆俊(たかとし)、良いじゃない、もらっちゃおうよ、私達のご祝儀としてさ」
「理彩(りさ)が、言うなら…じゃあ、ただでもらうのも何だからこれ、少ないけど…」
夫婦は女性にユーロで少しばかりの謝礼金を支払った。

会釈して去っていく女性。

隆俊は最後にもらったカメラのメーカー名を聞いたら女性は【パンドラ】というメーカーだと言い残した。

夫婦はその後、パンドラというカメラでいろんなものを撮しまくった。

しばらく楽しい時を過ごしたが、三日後、ヴェネチアで理彩は失踪した。

まるで神隠しにでもあったかのように。

隆俊は知らなかったが、パンドラで撮した写真にたまたま写り込んだ人達も少しずつ失踪を初めていた。

そして、理彩を探していた隆俊は偶然、エクソシストと知り合うことができ、失踪事件を解決することが出来た。

カメラのレンズに杭を打ち込むことで大半の失踪した人は衰弱してはいたものの、無事に帰って来たのだ。

だが、残念ながら、解決と言っても理彩だけは遺体となって帰ってきた。

無人のゴンドラにもがき苦しんだような形相で亡くなっていたという…

原因は写真にたくさん写り過ぎていたからだ。

エクソシストが退魔するころには生気を絞り取られ過ぎて命が尽きていたのだ。

パンドラのカメラ…この他にも姿形を変えて、パンドラという呪いは世界中に広まっていった。