「何だ…なんなんだ…???」

浩紀は何が起きたのか解らない。

すると、榮一郎先輩達が説明を始めた。

「…この呪いを解くには、川瀬君、君からパンドラを引き離すための許可を君自身からもらわなければならなかったんだよ」

「それとパンドラが自ら名乗る事も必要だったの。弱点はいくつかあるみたいだけど、私達が知り得たモノはこのやり方だったのよ」
「この女は失われたはずの古代の呪術から生まれた悪鬼よ。だから、天使のイメージがある白い鳥や清めの塩等が苦手なの」
「騙して、悪かったね、でも、川瀬君、君を助けるにはこれしか無かったんだ。あのまま行くと君の知り合いは全て殺されて、君は絶望してひとりぼっちで死ぬことになっていたんだ。危ないところだったんだよ」
「そ、そんな…」
浩紀は腰を抜かした。

自分の理解を超える状況にただ呆然とするしかなかった。

最初は動揺していたが、パンドラがグズグズに崩れ去るとまるで憑きものが落ちたかのように、パンドラに対する愛情も執着も消えていた。

パンドラが死んでしまったのに悲しくもなんともない…。

それまで、パンドラ中心に生きていたのがウソのように完全にどうでもよくなっていた。

浩紀のアパートの畳の下に、無くなっていた思われた石棺がまるで植物の様に根付いていたが、塩を振りかけたらこの石棺も土塊にかえった。

浩紀は助かったのだ。