石棺の中にあるモノと目が合った気がしたからだ。

小さなものなのに人の気配がする…

そんなバカな…

たばこの箱とそんなに変わらない大きさの石棺に人が入る訳がない…

気のせいかもしれないと思い、再び、石棺の隙間を除く。

小さな石棺の中にあったのは、ドクロ、しゃれこうべだった。
小さな骸骨が中に入っている。
しかも、何となく禍々しい感じがする。

「気持ち悪りぃ…何だこれ…」

浩紀は身体の内側から来る恐怖心を打ち消そうと大声を張り上げた。

怖くなって捨てようとも思ったが、羽住の形見であるこの石棺を捨てるのも偲びないので住人が共同で使っているアパートの物置にしまってしまおうと思った。

「ちゅう…」
「うぁ…何だ…ネズミか…脅かすなよ…」

物置をあけたとたんに出てきたネズミに少しビビったが、気を取り直して奥にしまって戸を閉めようと思った。
その時、ネズミが石棺の近くを通りかかったと思ったがフッと消えた。
心なしか石棺が大きくなったような気がした。
良く見たら、石棺がずれたままだった。
でも、何故か怖くて見に行けない…
浩紀は忘れることにして自分の部屋に戻った。