そんな時、ぬいぐるみのまめぽんがいきなりしゃべり出した。
「こんにちは、カノン姫、おいら、まめぽん、よろしくタヌ」
 と。
 カノンはびっくりした。
 吟侍にプレゼントされたまめぽんはただのぬいぐるみのはずだったからだ。
 コンピューターを搭載して、しゃべれるようにする事は難しい事ではない。
 だが、トルムドアがそうやったとは思えなかった。
 まめぽんはまるで生き物のようにしゃべった。
 それも科学を用いれば難しいことではないが、まめぽんのしゃべり方には感情のようなものが見えたのだ。
 まるで本物の生きている生命体のような瑞々しい気を感じた。
 しかも、恋人、吟侍と同じ、自分の事を【おいら】と言うのもにくい演出だ。
 カノンは、
「こんにちは、まめぽんちゃん。お久しぶり。元気だった?突然、いなくなっちゃったから心配したんだよ」
 と返した。
 まめぽんは
「それはごめんタヌ。おいら、トルムドア様に命を貰ったのがうれしくってつい遊びまわっちゃったんだタヌ」
 と返した。