それは、まめぽんのぬいぐるみだ。
 冒険に出る前に吟侍にプレゼントされたぬいぐるみだった。
 カノンの双子の姉、ソナタはセンスが悪いと言っていたが、カノンにとっては吟侍にプレゼントされた大事な物だった。
 冒険当初は、不安で、吟侍を思って、そのぬいぐるみと一緒に寝ていたが、ある時、突然、無くなったのだ。
 どこに行ったのかと思って必死に探したのだが、ついに見つからなかったものだ。
 まめぽんのぬいぐるみは思い人とをつなぐアイテムで、無くなった時、思い人との運命の糸をたぐり寄せるために働いているという与太話を吟侍からされていたので、カノンはそれを信じて、吟侍に思いを届けてくれているとして、探すのを諦めたのだ。
 それがどういう訳かトルムドアが持っていた。
 トルムドアは、
「可愛いので、クアンスティータ公式キャラクターにしちゃいましたぁ」
 とにっこり笑って言った。
 まさか、こんな所でまめぽんのぬいぐるみと再会するとは思っていなかったので、カノンはポカ~ンとなった。
 そして、じんわりとカノンは吟侍も別の場所でクアンスティータと向かい合って居るんだという事を感じ取った。
 まめぽんの存在が吟侍の気配を運んでくれる。
 不安で不安でたまらなかったのだが、まめぽんのぬいぐるみがカノンの心を癒してくれた。
 冒険の先には吟侍との再会が待っている。
 そんな期待が持てた。