09 おいら、まめぽん


 七英雄達がオリウァンコとの最終決戦を間近にしていた頃もカノンは彼らが自分の偽者、ダミーカノンを救い出すために戦っているという事を知らなかった。
 カノンと七英雄達の間に流れている時間は全く別のものとなっている。
 カノンの方は、第一側体クアンスティータ・トルムドア達に案内された【あそこ】と呼んでいた神殿の様な場所で、カノンの生体データを元に作られた半分データ、半分生身の存在、【クァノン】を作ってもらってプレゼントされていた。
 【クァノン】はカノンの可能性を更に引き延ばす存在と言えた。
 とりあえず、最初の目的である【あそこ】には案内されたので、次に何をするかという事になる。
 カノンとしては、七英雄達やシアンやパスト達がどうしているのかがまず気になるところではある。
 カノンが突然、居なくなったので、心配して探しているのではないかと思っていたが、それは代わりを置いて来たと説明されたので、とりあえずは安心した。
 その身代わりがどんな行動をするのか気にならないではないが、カノンそっくりだという事で少し安心したのだ。
 少なくともカノンが居なくなって不安に思うという事が無かっただけでも、それは良いことだと判断したからだ。
 このトルムドア・ワールドでの次の行動を考えていると、(クアンスティータ・)トルムドアが、
「じゃぁ~ん、これ、なぁんだ?」
 とあるものを見せてきた。
 カノンは、
「そ、それは……」
 と言った。
 彼女には心当たりがあったアイテムだったからだ。