だが、テセウスは冷静にこう返した。
「ひとつ、教えておいてやる、お前達は、オリウァンコの化身体と同化している事を自慢したいようだが、それは自慢になっていない。――なぜなら、見たところ、お前達の化身体は少しもお前達になじんでいないからだ。恐らく1パーセントも化身体の力を引き出せていない。本来出せるはずの力も出せずにやられていく――そう思うぞ」
 と。
 そう――八化身とたいそうな名前を貰ってはいるが、少なくとも七英雄と戦っている7名で、化身体の力を引き出している者は誰も居ない。
 引っ込んだ陰陽が使いこなすかどうかはまだ、不明だが、現在、七英雄が戦っている7名の八化身に対して言えば、本来、オリウァンコのサポートを得られる前の実力では戦えているかも知れないが、オリウァンコの化身体の力が機能している様子は全くと言っても良いほど見られない。
 だとすれば、八化身とは名ばかりのただの敵に過ぎない。
 テセウスはそう分析した。
 化身体の力が引き出せていないのであれば、化身体2つと同化する事で八化身入りを果たしたというビースクはただの雑魚――取るに足らない敵に過ぎなかった。
 1つも2つも関係ない。
 力を引き出せていないのであれば意味は無いのだ。
 それを証明するかの様に、テセウスは次の一撃でビースクを倒した。
 使った力は、超越進化だ。
 今回は、気を進化させた。
 八卦掌の様にして、手のひらに気を込めて解き放つが、気が当たった瞬間に見えない爆発を起こすという進化だ。
 また、その爆発の中から更なる爆発、そのまた中から更なる――と言うように、四重、五重の爆発をさせた。
 ボンボンボンボンボンと連続して発生した衝撃により、ビースクは一撃で倒された。
 これが、オリウァンコの化身体を何一つ活かせていない何よりの証拠となった。
「出直して来いとは言わない。お前はもう終わりだ」
 その言葉が、ビースクに向ける最後の言葉となった。