だが、ゼルトザームの言葉を信じるのであれば、クアンスティータの気に障る様な行動をせず、正しく動いて居れば、害はないらしいという言葉を聞いて、ホッとした。
 生き残れるのであれば、まず、する事は、自分がクアンスティータと同じ化獣という区分に属する存在であるという事のアピールだ。
 そのためには、人間共にその力を示す必要がある。
 そこで、目をつけたのが、クアンスティータ誕生に割と近い位置に居た、ユリシーズ達七英雄達だった。
 彼らに勝利する事で、自分の権威をクアンスティータに示そう――それが、オリウァンコの真意だった。
 要するにクアンスティータに対し、オリウァンコなりに媚びを売ろうとしていたのだ。
 そのため、基本的に卑怯な手は使えず、1対1のさしの勝負で勝利を得なくてはならなかった。
 もちろん、これはオリウァンコが勝手に決めたルールだ。
 筋は通っている様で通っていない。
 巻き込まれる者達の事など、全く考えに入っていないと言える。
 だが、オリウァンコの思考ではこれこそがクアンスティータに示す誠意なのだった。
 自身の正義のために行動をしているという事だ。
 自分勝手と言えば、相対する七英雄達も同じだ。
 カノンは止めたのに、自分達の満足のために、オリウァンコの喧嘩を買ったのだ。
 言ってみれば自分勝手対自分勝手の戦いでもあると言えるだろう。
 この戦いで死亡してもそれは自業自得――そんな戦いだ。