最後の第8の関所で待っていたのは、ストリードという名前の男だった。
 ストリードの力は、架空隕石の落下だ。
 上空に架空の隕石を作り出し、落下させて攻撃するというものだ。
 その衝撃は一撃一撃がもの凄いものとなる。
 確かにもの凄い。
 だが、パワーの面では、風の惑星ウェントスでの戦いの方が遙かに上だと言えよう。
 時間にして少し前に行われていた王杯大会エカテリーナ枠ではエカテリーナVSカルン・ナーブという選手の戦いで、惑星を使ってのキャッチボールが行われ、その衝撃で玉として使われていた惑星はブラックホールを引き起こしている。
 スケールの面では完全に負けているだろう。
 だが、それはユリシーズも解っている。
 吟侍は更に上の戦いをしている事など百も承知だ。
 だからこそ、彼はどんどん上を目指す事をやめなかった。
 少しでも追いつき、やがては追い越したい気持ちでいっぱいだった。
 ユリシーズは、どこまでも力をつけるつもりで貪欲に力を求めた。
 その気持ちで強く求めた力が、彼がゼルトザームとの修業で身につけたもう一つの力だった。
 その力の名前は、七化身(ななけしん)という。
 化身体(けしんたい)――主に化獣(ばけもの)などが、自分の本体を傷つけないために、仮に動かす身体として、使っている仮のボディーだ。
 ルフォスを心臓に持つ吟侍は当然使えるが、ルフォスの宇宙世界で修業しただけのユリシーズ達では到底身につかなかった力でもある。
 ユリシーズは人の身に限界を感じていた。
 ルフォスの力を有する吟侍ならまだしも、現界に潜みし、強敵達との戦いをしていくには、人間の身体では脆弱過ぎる。
 そう思っていた彼は、限界以上の力を引き出せる身体を欲した。
 そして、ゼルトザームに土下座までして手に入れた力――それが七化身と呼ばれる、化身体の劣化版の様な力だ。