第7の刺客の名前は、ウォーレンという男だった。
 ウォーレンの力は、空間の歪みに爆発物を隠すトラップファイターだった。
 この力は吟侍も使える力といえる。
 吟侍の場合は創作バトルの一つでエアポケットマジックという。
 吟侍は空間の歪みの中に、様々な魔法効果を隠す事で同じようにその歪みの所を通った時に発動するトラップを貼ることが出来る。
 吟侍は、エアポケットボム、エアポケットサンダー、エアポケットグラビティー~……などの様に多種多様使いこなしていたが、ウォーレンの場合はエアポケットボム――歪みに爆発効果を隠す事のみの様だ。
 技量として、ウォーレンは吟侍よりも遙かに劣る。
 だが、戦い方の一つが吟侍と共通しているというのであれば、疑似的に吟侍と戦っている気分を味わえた。
 ウォーレンに勝ったから吟侍に勝てるという訳ではない。
 だが、それでも勝った気にさせる戦いになるとジークフリートは喜んだ。
 吟侍には美味しいところをいつも持って行かれていたので、ここで、一泡ふかせたい気持ちになったのだ。
 なので、能力貯金は封印して、スピア・クラウドで戦う事にした。
 ジークフリートはウォーレンのトラップをかわすために、至る所に槍を投げた。
 槍がトラップを通過すると爆発が起こり、そのトラップは消失する。
 ウォーレンが罠を作ってはジークフリートが罠を解除するという戦いが続き、我慢くらべとなったが、根性でジークフリートが勝利した。
 この第7戦でかなり疲労したので、第8戦はいきなり能力預金を使う事にした。
 早々に結着つけて、一旦、休みたかったからだ。