二回目以降、使いたかったら、また、スペシャルスキルを担保に下ろさなくてはならない。
 そのため、いつまでも使えるという力ではない。
 使える回数が有限である貴重な力と言えた。
 なので、攪乱などの無駄玉は撃てない。
 一回、一回が貴重な力と言えた。
 今回、使った能力は因果律の操作だ。
 ゼルトザームくらいのレベルにでもならない限り、通常使える力ではない。
 ジークフリートはこの貴重な一回を使って、第5の刺客キリーロフと次の第6の刺客ウォルカーズという男を宿敵同士の運命にした。
 仲間という立場から、お互い憎しみ合い、つぶし合う間柄に変えたのだ。
 これは、オッケヘムの記憶の改ざんとはレベルがまるで違った。
 運命そのものをねじ曲げてしまう超強力な強制力を持った力だった。
 ジークフリートを尻目にキリーロフとウォルカーズの戦いが始まった。
 キリーロフが得意とするのは体術だった。
 達人の格闘家タイプの敵と言えた。
 技量的にはどう見てもジークフリートの上をいく。
 ウォルカーズは魔法使いタイプと言えた。
 様々な超常現象を操り、戦うタイプだ。
 技量としては、僅かにウォルカーズの方が上という感じがする。
 だが、ジークフリートの因果律の操作はこの2名が同士討ちで引き分けになるように運命を操作している。
 多少の実力差ならば、調節が可能なのだ。
 それだけ、反則技的な力と言えた。
 そして、運命に操られるかのように、激戦を繰り広げていたキリーロフとウォルカーズは、お互いの胸を刺し貫き、共に果てた。
 この2名の戦いを見る限り、まともに戦っていたら、どちらもかなり苦戦していただろうというのが解った。
 それだけの強敵達だった。
 棚から牡丹餅的な展開で第5、第6の刺客を撃破したジークフリートは続く第7の関所に向かった。